1999年2月 投信ビジネス内認可(さわかみ投資顧問)

投信ビジネスの認可申請書類を揃え大蔵省証券課を訪問。先方の係官は相当に驚いた様子。法案が施行されたとはいえ、こんなにも早く申請者が現れるとは思っておらず、さらには一介の投資助言業者が投信ビジネスをやりたいと言ってきた。想定外といった受け止め方で、「何しに来たの?」が最初の対応。数名の係官の間を毎日のようにたらいまわしされ、ようやく若手係官が担当と決まった。ここからは担当を集中攻撃で突破するだけだ。かくして大蔵省への日参りがはじまった。

認可取得で最大の山は経営の安定性。3年で黒字化できるという見通しを出せと言うが、裏付けのある書類を出すのは難関。独立系で、しかも小さな投資顧問会社にすぎない上に、営業も宣伝もしない直販というまったく新しい投信をやろうとしている。担当に意義と可能性を熱く語っても大蔵省の上級審査官にはとうてい伝わらない。そこで、「日本における投信ビジネスのあるべき姿と構造的な問題点」というテーマの大論文を提出。

日本の投信は伝統的に販売のビジネスで、常に新しいファンドへの乗り換え営業が主体。それでは投信本来の姿である一般生活者の財産づくりをお手伝いすることは不可能。現状打破のためには本格的な長期保有型の投信を直販すべき。選ぶのは受益者の判断。よって認可審査で重要なのは、販売目標ではなく日本の投信文化を受益者のためのものに変えていく意志と気概だろう。そういった主旨の大論文で真正面から大蔵省にぶつかった。そこで効いたのが、営業なしに2年半で数百件の顧客口座が開設されているという助言業者としての実績。まともな投資運用サービスへの潜在需要が大きい証明であり、直販投信が伸びない理由はないという論法で押して押しまくった。

このあたりから申請書類の作成スピードが上がり、ついに内認可が下りた。担当から正式な申請書類の提出を指示された時は、いよいよ投信ビジネスをやれるぞと天にも昇る気持ちだった。