1999年8月 受託銀行と契約(さわかみ投信)

認可取得と本社移転を済ませ、業務に必要なシステムの導入も完了。残るは受託銀行を決めるだけ。そこにまさかのような障壁が待ち構えていた。

どこの信託銀行もさわかみファンドの受託はできないと断ってきたのだ。いかに小粒の投信会社といえど、投信ビジネスの認可を取得しているではないか。あちこちの信託銀行に幾度となく接触を試みたがすべて門前払い。どこの馬の骨とも知れない投信会社とつき合ったら自行の評価が下がる。夜逃げされたら迷惑。どうせ成功しないだろう。大したビジネスにもならないのに手間だけかかる。ありとあらゆる罵り雑言を投げつけられた。なにを言われても構わない。実績で見返すだけだ。しかし信託銀行が受けてくれないとなると投信ビジネスをはじめられない。見返してやりようがない。あせった。半年以内にビジネスを開始できなければ認可取り消しもあり得る。時間との勝負、いろいろな人に信託銀行の役員クラスの口ききを依頼。そんな中、とある紹介で日興信託銀行幹部とのミーティングが決まった。日本で一番小さな信託銀行だが、はじめて幹部クラスと話ができる。これはありがたかった。

ミーティング当日、いろいろ質問が出たもののなかなか「やろうか」といった雰囲気にならない。時間ばかりが過ぎていく中で突如、末席の方から大きな声が発せられた。「受けましょうよ。どうせウチはジリ貧だから、この際どんなビジネスでも受けるべきでしょ」。一番下端の出席者のこの発言で、会議室の空気は一変。そして最後は「思い切ってやってみようか」という結論に達した。条件は日興信託銀行の言いなりとなったが、ともかく信託銀行が決まった。ようやく投信ビジネスをはじめられる。長かった。最後の最後にきつい壁にぶち当たった。