2004年3月 黒字決算と世界一への挑戦(さわかみ投信)

3月末の決算ではじめて会社収支が黒字化。会社設立から8年、ようやく赤字のたれ流しに終止符を打てた。さわかみ投資顧問の設立後は、その順調な伸びから2年で経営が軌道に乗る勢いであったが、投信ビジネスに足を踏み入れるや経費はうなぎ登りとなったのだ。個々の投資家顧客と助言契約を結ぶ投資顧問とは違い、世間の目にさらされる投信であれば運用成績の積み上げでファンド資産の増加を確信できる。その勢いであえてオーバースペック気味で走ってきたのだ。だから費用がどんどん嵩んでいった。

最たるものが人員の積極的な採用。ファンド資産額が5,000億円程度なら数名のアナリストで十分。しかし5兆円ともなれば、意識もレベルも極めて高い運用ならびに調査陣30名を擁する体制を築き上げる必要がある。そこまでには数百名がさわかみ投信の投資運用に挑戦し、そして去っていく過程があるだろう。

顧客管理体制の充実強化は時に運用成績より重要。顧客からの絶対的な信頼や安心感は市場の暴落時に強力な下支えとなる。運用調査部門はピカピカでもバックオフィスは二流三流のケースが多いのが一般。ところが世界一を目指すなら顧客管理部門も輝いてないといけない。それがそのまま顧客資産の定着と着実な増加につながる。もうひとつ大きな必要経費、それは顧客関連のシステム開発や最新鋭IT機の導入だ。顧客がいつ何時でもご自身の資産状況にアクセスできることの安心感は絶大。他社の追随を許さない高水準の顧客口座管理体制は市場が大混乱に陥った時ほど威力を発揮する。ピカピカの顧客管理体制と最高のシステムは隠れたマーケティングなのだ。

いくら黒字になったとはいえ贅沢は一切しない。そういった質実剛健さは絶対に崩さない。されど人材確保や養成、そして高度なシステムなど必要な先行投資には出費を惜しまない。我々の場合、唯一不用なのは資金集めの営業担当だけである。