2006年3月 業務停止命令(さわかみ投信)

2005年1月に金融庁検査が入った。さわかみファンドの基準価格は毎日のように新高値更新中。営業・宣伝なしに投資家顧客数50,000人が視野に入り、ファンド資産は800億円超。経営も黒字化、3月末決算で累損も解消見込み。ていねいに直販していることもあり顧客からのクレームは限りなくゼロ。そのようなタイミングでの金融庁検査だ。さあ、いくらでも検査してください。案の定、検査はきわめてスムーズに進行。毎日の夕方での基準価額やファンド資産額の更新の拍手に検査官には会社の勢いを実感してもらえた。ところが、検査終盤で担当官が一部の古い書類に首を傾げた。1997年に海外の助言顧客に頼まれて買い注文を出した書類2件。

当時、投資助言業者だったさわかみ投資顧問は売買発注が一切できない。当然そのルールは遵守してきた。ただし、海外では顧客との個別契約が優先される。時差の関係もあり、先方は2件の買いを急ぐように依頼してきた。我々助言業者が発注できないということを知らないのだ。顧客からの注文は執行しないと契約違反、やむを得ず2件の買い注文を出した。以降は先方より理解を得、2度と発注せずに済んだのだが。

検査官はその2件が法律違反だと指摘。我々も理解しているものの、海外顧客との契約に基づいた、しかも時差の関係でやむを得ないと判断した発注は投資顧問業法が謳う投資家保護の精神に逸脱していないと反論。過去の関東財務局検査でも指摘はなかったし、また投資助言業務は1999年12月末に終了しているとも主張。

相当に長いこと検査官との対峙は続いた。このままでは検査が終わらないし、金融庁の判断次第で認可取り消しになりかねない。そのような不安が社内を走り、無念ではあるが検査官の指摘を受け入れ検査は終了。

2006年3月、1ヶ月間の助言業務停止命令を受けた。6年前に終了した助言業務の停止命令だ。事情を知らない顧客や世の中に対し驚きやら失望を与えてしまった。真面目にまともに仕事してきた我々には不名誉きわまりない汚点だ。