2011年7月 新社長就任-2(さわかみ投信)

決定的だったのが3月11日の東日本大震災。翌日は交通が大混乱の中、澤上篤人は大阪に日帰りセミナー。週が明けて取締役の仲木威雄と前から決っていた沖縄へ出張。なお、非常勤取締役である澤上龍はソーシャルキャピタル・プロダクションの仕事で神津島へ出張中で連絡が取れない。

経営陣不在の中で執行役員が進める震災後のマネジメント対応のひとつがセミナーの中断だった。日本各地の混乱もあるしまだ危険も残っているからとのこと。オイ、ちょっと待て。どんな混乱があろうと投資家顧客に本物の長期投資を訴えるのがさわかみ投信のありようのはず。

日常業務は支障なかった。しかし震災後の大混乱もあり、執行役員には大きな判断はできなかった。経営陣が揃った後、即座に大震災と津波で被害が尋常でなかった東北3県への寄付を決定。また、澤上篤人がさわかみ投信のホームページに「我々は負けないぞ」の強いメッセージを毎日送り続けることに。一度中止を決めた週末の秋田セミナーも予定通り開催すると出席予定者に連絡。秋田では、まだ余震が残る中を岩手や宮城県からも「セミナーをやってくれてありがとう」と多勢がかけつけてくれた。中止にしないで本当に良かった。澤上篤人はその日の便で帰れたが、仲木威雄は帰れず余震の残る秋田に残った。上に立つ者として、瞬時の判断力、そして度胸と覚悟が問われた1週間だった。

それから後任構想を抜本的に練り直した。さわかみ投信で個性まる出しの元気あふれる社員は誰だろう? 結果、最も粗削りで世間一般の常識を越えて、おもしろい会社にしてくれそうな人間として、仲木威雄、黒島光昭和、高谷明の3名が選出、新取締役への選任意向を告げると同時に3人の中で誰が社長になれば会社が一番力を発揮できるかを考えさせた。6月30日の取締役会で鈴木道郎、熊谷幹樹の退任、仲木威雄、黒島光昭、高谷明の新取締役を選任が決定。

7月4日の創立記念日には、第2代社長として黒島光昭が就任。3名の話し合いでは仲木威雄の新社長で一致をみていたが、執行役員や本部長制度もまだ残っており、そして何より投資運用会社としては、その経験値を持つ黒島光昭に相応しいと判断。