2012年3月 ソーシャルキャピタル始動(SCP)

さわかみ投信は投資家顧客の資金をお預かりして上場企業に投資運用を行う。しかし世の中は上場していない企業、更には起業前段階のプロジェクトや個人のアイデア・想いの方が圧倒的に多い。そのようなプロジェクト、アイデアや想いを成就するためのファイナンスは日本では発展していない。そうであれば我々がやってしまおう、ということでクラウドファンディングサービスを始めた。

クラウドファンディングとはインターネットを利用し、資金を必要とする側に対し、そのアイデアやリターンなどを気に入った個人法人が資金を提供する仕組みだ。インターネットのおかげで資金募集者が広く世に伝えられ、同様に資金を面白いものに提供してみたいと考える個人法人もアイデア群がポータルサイトとして存在するわけだから、そのサイトから自身の興味のあるカテゴリを絞り込みつつ資金提供まで一貫して行うことができる。

便利な一方で問題もあった。クラウドファンディング、つまりマッチングサイトを運営するにも手間暇がかかる。アイデアの実現性や企画者の審査、資金提供者からアイデアマンへの資金提供の方法、提供後のフォローとアイデア倒れの際の説明や責任問題などだ。

我が国に存在するクラウドファンディング運営会社はマッチングに際し手数料を取る。それも10%から多ければ20%も。アイデアに対する資金ニーズが100万円である場合、募集段階で120万円を達成目標とし、成立後は20万円の手数料を差し引いた100万円をアイデアマンに渡す。想いある120万円のうち、最初の段階で20万円は消えてしまうのだ。そうなってくると運営会社としては、もう何でもいいから成立する案件を集めてこよう、というマインドに陥る危険性がある。回転させればされるほど儲かるからだ。

そこで我々は手数料を無料としてクラウドファンディングを始動した。3月のことだった。インベスターズTV同様、直接的に採算を確保せずとも人との繋がりさえあればいつかはご飯が食べられるようになる。会社経営は厳しいものの、そもそも人と人との信頼関係や繋がりという価値(ソーシャルキャピタル)を世の中に創出することこそが創業理念ではないか。そういった想いも込め、我々のクラウドファンディングサービスを「ソーシャルキャピタル」と名付けた。手数料は完全無料、案件も依頼されたら検討する程度、何より大切にしたのが、そのアイデアが世の中にどういった価値を与えるかを問うことだ。